社長のつぶやき

免税頼みからの転換点

OEM視点で捉える百貨店不振の背景

はじめに

2025年4月の大手百貨店売上速報によれば、5社中4社が前年を下回る結果となったらしい。
特に目立ったのは、免税売上の2〜3割減という落ち込みです。
件数自体は増えているものの、ラグジュアリーブランドなど高額商品の販売不振により、客単価が下がっているという。
この動きは、製造業にとっても「兆し」だと私は考えています。

本論

百貨店の業績悪化は、コロナ禍からのインバウンド回復で一時的に潤った反動もあるだろうが、根本的には、「免税売上への依存構造」そのものが今、転換を迫られているのではないかと思います。
特に以下のような傾向は注目するポイントかと

  • 三越伊勢丹や大丸松坂屋の一部店舗では国内客が売上を支えている
  • 高島屋や阪急阪神はインバウンド比率の高い拠点で大幅減
  • 百貨店各社で高額品よりも化粧品や装身具の関心が拡大

つまり「モノを売る場所」としての百貨店における価値が、外需依存から内需の感性価値へと回帰しつつある兆しであるということです。
これは我々OEM側にとっても見逃せない転換点です。

たとえば弊社がOEMで手がける製品にも、国内外を問わず「価格より納得感」を重視する傾向が見られるようになってきました。
特に、肌触りや素材の思想、作り手の顔が見える背景ストーリーに価値を感じる層が明確に増えています。

その点で、弊社のオリジナルブランド「ICHORA⁺」のように、抗酸化・保湿・リラクゼーション効果を持つCurefilo素材を使った日常着は、まさに感性価値を求める新時代の象徴かもしれません。
量ではなく質、勢いではなく実感。
百貨店の変化は、それを私たちOEM・縫製側に静かに問いかけているような気がします。

まとめ

OEMという立場から見れば、百貨店の免税売上減少は「市場の縮小」ではありません。
「依存構造からの脱却」であり、「国内消費者との再接続」への兆しです。
これは、製品の思想、素材選び、そして縫製現場のあり方そのものが、問われ始めているということでもあるのでは。

貴方の製品は、誰の心に届いているか?
そしてその価値は、「誰に、どうやって」伝わっているだろうか?

OEMの立場から、今こそ製品づくりの原点に立ち返る好機かもしれません。

最後までお読みいただきありがとうございます。
では、また

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